八雲展 公式サイト

内野滋雄

(都立大学附属高校 1期)

ご承知のように八雲展は毎年5月に大崎の0美術館で行っている美術展です。  この美術展は1929年(昭和4年)に創立された府立高等学校(尋常科4年、高等科3年)の絵画班が毎年記念祭の折に行っていた絵画展が始まりです。  当時の八雲が丘は豊かな自然に溶け込んでいたようで、北には雑木林が広がってデッサンには事欠かなかったそうです。  戦争、終戦、学制改革の中で、絵画班は府高美術部と名称を変え、その流れは新制の都立大学附属高校美術部(美研)に引継がれて活発な活動が続くようになりました。

 その発端は1979年(昭和54年)、府立高等学校創立五〇周年記念の行事の一つとして行われた第1回八雲展です。  1979年1月26日から、当時の東急百貨店日本橋店6階画廊で6日間開催されました。出品者は松岡正雄(遺作)、石川道雄(遺作)、島岡達三、岡弘、岡本半三、塚原政恒、山口良介、小玉貞二、藤波哲太、山下肇、朝長康郎、平部正博、矢沢弥三郎、草下草也、高島文三、甘田早酉、永井保、善多智慧夫、内野滋雄、加藤武利、物故者2名を含め20名でした。  オープニングパーティでは参加者100名を起す賑わいをみせ、盛会裡に会期を終えることができました。

 第2回以降は1年半か2年の間隔で行いましたが、大先輩から「俺達は先が短いから毎年やれ」と言われ今年は第35回を迎えることになりました。  出品者も年々増加し、一時は50名以上の年が続きました。旧制の方々は亡くなられた方が多く第1回八雲展出品者20名のうち18名が逝去され、今年の出品者は1名となってしまいました。  都立大学附属高校の中には美術大学出身者も多く、会場ではレベルの高い展覧会と言われております。  また、東京都立大学出身の方が年々増え、八雲展を支えておられ、プロ級の方も多く、今では首都大学東京の方も入会されメンバーの拡がりは喜びです。  府立時代の校旗、校章、校歌を継承している桜修館中等教育学校の参加者を待ち望んでいる此の頃です。